JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)が2019年度より新たに開始した「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」(Solution-Driven Co-creative R&D Program for SDGs(略称:SOLVE for SDGs))のソリューション創出フェーズに、本学の学際的チームによる研究プロジェクトが採択されました(採択率7.4%、応募件数134件、採択件数10件)。
1. SOLVE for SDGsについて
17の持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の達成に向けて、科学技術イノベーションを手段とした社会課題のソリューション創出をめざすプログラム。社会課題に取り組む当事者と技術シーズを活用したい研究者が一緒になって社会課題に取り組むプロジェクトの提案を募集した結果、大学や国立研究開発法人など多様な提案者から合計134件の応募がありました。募集締め切り後、プログラム総括、プログラム総括補佐およびプログラムアドバイザーなどの事前評価者が書類選考と面接選考(事前評価)を実施し、10件(シナリオ創出フェーズ7件、ソリューション創出フェーズ3件)を採択しました。
(1)シナリオ創出フェーズ
実施期間:原則として2年以下
研究開発費(直接経費):上限600万円程度/年
(2)ソリューション創出フェーズ
実施期間:原則として3年以下
研究開発費(直接経費):上限2,300万円程度/年
2. 研究プロジェクトについて
プロジェクト名:「亜熱帯島嶼の持続可能な水資源利用に向けた参画・合意に基づく流域ガバナンスの構築」
研究代表者:安元 純(琉球大学 農学部 地域農業工学科 助教)
協働実施者:金城 進(八重瀬町 土木建設課 課長)
プロジェクトの概要:
【解決すべき問題】
亜熱帯島嶼の水資源は、気候変動や産業構造の変化などのさまざまなストレスに対する脆弱性が極めて高く、近年、多くの地域で地下水など水資源の枯渇や汚染が大きな社会課題となっている。地下水の汚染は水循環を介してサンゴ礁生態系を劣化させ、生態系サービスの低下など新たな課題も引き起こしている。
【提案内容】
本プロジェクトでは、地下水の流れや汚染物質の発生・輸送プロセスの定量的な把握とその科学的情報を可視化し、アクションリサーチを通じて多様なステークホルダーとともにそれらのデータを共有することで、水資源に対する理解を高める。さらに、ステークホルダー間の合意形成に基づいた、汚染物質の効果的な負荷軽減対策を立案・実施し、活用する仕組み(参画・合意に基づく流域ガバナンス)を構築する。
【研究開発に参画する実施者、協力する関与者の所属機関】
琉球大学、八重瀬町、長崎大学 総合生産科学域、信州大学 工学部、北里大学 海洋生命科学部、産業技術総合研究所、熊本大学 大学院先端科学研究部、金沢大学 法学系、阪南大学 経済学部、湧き水fun倶楽部、一般社団法人 トロピカルテクノプラス、株式会社建設技術研究所
<参考>
※JSTプレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1404/index.html