2019年9月29日、琉球大学医学部附属病院は、国内の大学病院として初めてESMO-DCに認定されました。
“ESMO-DC”(European Association of Clinical Oncology - Designated Center)とは、2003年から「がん治療」と「緩和ケア」との統合を高いレベルで実践している医療機関に対して欧州臨床腫瘍学会が認定する世界中で注目されているプログラムで、現在、世界41か国で約200施設が認定を受けています。わが国では、がん対策推進基本計画(第2期:2012年)の中で「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」が提言されており、がん治療の早期からの「緩和ケア」が求められています。その実現に向け、わが国独自のプログラムがない中で、ESMO-DCを取り入れることはとても重要です。日本では2018年に3施設がESMO-DCに認定され、本院が国内4施設目の認定(大学病院としては初)となります。
ESMO-DCの施設認定には、施設の「規模」よりも「質」が重視されます。1つの施設内にすべての機能を揃えなければならないということではなく、各機能を提供できるように内部及び外部機関との適切な連携が評価されます。県内の緩和ケア領域で“ALL OKINAWA”としての連携を進める活動の中核を担い、今回の施設認定に尽力した、中島診療教授(本院地域医療部)は、「“ALL OKINAWA”としての連携こそが、緩和ケア病棟を有しない本院がESMO-DCの施設認定として評価された理由だと考えており、また、この認定がゴールではなく、申請時に明らかになった改善点を一つ一つ解決しながら、沖縄のがん医療ならびに緩和ケアをより良いものにしていけるように県内医療機関や行政などと協力して努力を重ねていきたい」と抱負を述べています。
琉球大学医学部附属病院は、県内の緩和ケア領域における“ALL OKINAWA”の推進力として、より良質な緩和ケア体制の構築に取り組んでまいります。