琉球大学では、2018年度に文部科学省「大学の世界展開力強化事業」に採択され、「COIL型教育を活用した太平洋島嶼地域の持続的発展に資するグローバルリーダーの育成」事業を実施しています。(2018~2022年度)
本事業は、太平洋島嶼地域の連携大学であるハワイ大学9校、グアム大学、パラオ地域短期大学、ミクロネシア連邦短期大学、マーシャル諸島短期大学とのCOIL(Collaborative Online International Learning:オンライン国際交流学習)を基盤とした教育連携により、太平洋島嶼地域のSDGs達成に積極的に貢献するリーダーを育成することを目的としています。
今年度は事業開始から3年目となるため、これまでの取組と成果の報告として、12月10日に「中間成果報告シンポジウム~SDGsが結ぶ島嶼の教育・文化そして課題~」をオンラインにより開催しました。
前半のワークショップでは、グローバル教育支援機構キース・ベアリー教授、ジョージ・マクレイン教授の進行により、本学で学ぶ日本人学生、外国人留学生がSDGsに関するテーマについてグループディスカッションを行い、各グループでの議論について発表しました。また、Q&Aには、海外連携大学の学生やハワイ・ヒロ高校の生徒もオンラインで参加し、島嶼地域における共通課題について共に考える有意義な機会となりました。
全体会では、牛窪潔理事・副学長(地域貢献・国際交流・広報担当)より開会の挨拶があり、引き続き事業責任者である岡﨑威生学長補佐(教育担当)より本事業における取組について紹介がありました。次に、学生交流プログラム参加学生による留学体験談として、ケリー・ロレッニジさん(マーシャル諸島短期大学)、仲本莉里歌さん(法文学部)がそれぞれ本学での留学やマーシャル諸島海外文化研修・ハワイ海外文化研修を通して学んだことについて発表しました。
続いて、基調講演として、グアム大学情報戦略統括最高責任者マニー・ヘチャノバ氏により、グアム大学におけるオンライン教育の取組や情報インフラの構築に関する講演がありました。講演後は、モデレーターの石川隆士教授(国際地域創造学部)による進行で参加者と活発な質疑応答が行われました。グアム大学では、長年太平洋島嶼地域の大学等をつなぐオンライン教育の中核的な役割を担っており、コロナ禍において世界的にオンライン教育を活用した授業が推進される中、グアム大学における先進的なオンライン教育の取組に対し、参加した大学関係者や学生は大きな関心を示していました。
今回のシンポジウムには、会場、オンラインにより100名が参加し、海外からはグアム大学、ハワイ大学を含む17名の学生、教職員が参加しました。シンポジウムを通して、オンライン教育を活用した海外の教育機関等との教育連携の可能性が示され、本事業におけるグローバル人材育成やCOIL型教育の推進へ向けて、非常に有意義なシンポジウムとなりました。
シンポジウムに引き続き、第1回外部評価委員会を開催し、過去2年間の取組状況について外部有識者による点検及び評価を行いました。委員からは、本学の特色を活かした取組について評価をいただくとともに、今後の課題について提言があり、またCOIL型教育を通した高校との連携やSDGsにつなげる取組の推進等について要望をいただきました。外部評価委員会からの意見や提言を基にして、本事業の改善やプログラムの充実に取り組んでまいります。