琉球大学では、首里城再興学術ネットワークの拡充を進め、その活動の一つとして、毎年1回のシンポジウムを開催しています。今回、はじめて沖縄県と沖縄県立芸術大学と共同でシンポジウムを開催しました。令和3年10月3日(日)に第8回琉大未来共創フォーラム「首里城再興学術シンポジウム2021」として、オンライン配信しました。事前の申込者数は170名、YouTubeで公開中の動画の視聴回数は3週間で500回以上となっています。
シンポジウムは四部で構成し、多岐にわたる首里城再興に関する課題を解決するために、学生、県民、関係機関、地域社会、そして様々な分野の研究者を巻き込んだネットワークのあり方と学術的な活動について議論しました。
第一部の「口頭発表」では8題の講演があり、ネットワークの活動報告、琉球文学、収蔵品(修復や後継者育成)および正殿(木材や瓦)に関する研究、そして首里のまちづくりに関する提言など、多様な分野に及びました。
第二部の基調講演「首里城復元の意義と課題」では、沖縄県立博物館・美術館の田名真之館長から、首里城は、琉球国の王城、行政府、信仰の場としての多彩な顔を持つことや、歴史の主要な舞台となっていたことから、それらを踏まえつつ復元に取り組む必要性があることについて講演いただきました。
第三部の「ポスターセッション」では16題の講演があり、沖縄県による基本計画の説明、歴史文化、収蔵品(修復、後継者育成)、正殿(発掘調査、瓦、木材)、まちづくりなどの研究や活動がウェブ上へのポスター掲載により幅広く紹介され、チャット機能により活発な質疑応答が行われました。
第四部「パネルディスカッション」では、木暮理事・副学長(企画・研究担当)をファシリテーターに「学術ネットワークの役割 ~首里城の復興、まちづくり、琉球文化のルネサンス~」と題して、第一部や第三部による様々な研究や取組の講演を基にして、後継者育成や情報発信、まちづくりなどの課題について議論が交わされました。
参加者アンケートによると、多様な学術分野や活動に及んだプログラムについて、多くの方より高い評価をいただきました。今回のシンポジウムは、首里城復興が単なる復元ではなく、様々な琉球の文化や技術の伝承や復興も含まれていることを、多くの参加者で共有する場となりました。
本学は、学外連携や若い世代に繋げていく教育を充実させ、今後も首里城再興学術的ネットワークの活動を継続していきたいと考えています。
その他、本シンポジウムの詳細については、首里城再興学術ネットワークのHPにありますシンポジウムの報告ページ をご覧ください。